親知らず抜歯後の穴はどのくらいで塞がる?期間や流れを歯科医師が解説
- 2021.09.29
親知らずを抜歯すると、当然歯があった部分にはぽっかり穴があきます。
とはいえ、穴があいたままだと、食事のカスが詰まってしまったり噛みにくかったりするので気になりますよね。
そこで本記事では、親知らず抜歯後の穴が塞がるまでの目安期間や流れを歯科医師・田口が詳しく解説していきます。
- これから親知らずを抜く予定がある方
- すでに親知らずを抜いた方
は、ぜひ参考にしてくださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らず抜歯後の穴!塞がるまでにかかる期間や流れ
親知らず抜歯後の穴が完全に塞がるのは、個人差はありますが抜いてから約3ヶ月くらい経った頃です。
ただし、上記は順調な経過をたどった場合になります。
元々歯周ポケットが深い人は、すでに歯を支える骨が溶けてしまっているため抜いた後に、
- 抜歯部位がしみたり
- 歯茎の再生が遅くなったり
- 穴が塞がっても凹んだ状態で治る
ケースがあります。
状態が悪い場合には、穴が塞がるまでに6ヶ月~1年ほどかかる場合もあるでしょう。
抜歯後にどのくらいで穴が塞がるか気になる方は、抜歯前に担当医に目安の期間について質問をしておくのがおすすめですよ!
では次に、どういった流れで親知らず抜歯後の穴が塞がっていくかを順番に説明していきます。
①抜歯当日:血餅(けっぺい)ができる
抜歯当日は、血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊ができます。
血餅はかさぶたと同じで、抜歯後の傷口を守ってくれる役割を果たしてくれます。
この血餅が抜歯後にできる穴を防ぐのに重要な存在になるので、抜歯後にお口の中の血が気になる場合も、何度も強くうがいをするのは避けたほうが良いでしょう。
何度も強くうがいをしてしまうと、せっかくできた血餅がはがれてしまい、傷の治りが遅くなる可能性が高いからです。
②抜歯3日~4日後:歯茎の再生が始まる
抜歯をしてから3日~4日経つと、抜歯後にできた穴の周囲から歯茎が再生し始めます。
ただし、この段階で完全に穴が塞がっているわけではありません。
気になるからといって、
- 舌や指で触ってしまったり
- 歯ブラシを当てたりしてしまうと
せっかく再生し始めた歯茎が傷ついてしまうので注意しましょう。
③抜歯1週間後:血餅が肉芽組織に変わる
抜歯から約1週間ほどで、血栓が肉芽組織(にくげそしき)に変わります。
肉芽組織とは、血餅よりも丈夫な傷口を保護してくれる組織のことです。
血餅とは異なり、簡単には取れません。
肉芽組織ができるまでの抜歯後約1週間は、傷口に刺激を与えないようにするのが、穴を早く塞ぐためのポイントです。
④約1ヶ月後:骨が再生し始め歯茎で穴が覆われる
抜歯してから約1ヶ月経つと、肉芽組織が変化して骨の再生が始まります。
歯茎で穴が覆われ始めるので、食べカスが詰まるのも気にならなくなってくるでしょう。
ただし、この時点では完全に穴が塞がったわけではないので、感覚としてはまだ穴が空いているように感じる人も多いです。
⑤約3ヶ月以降:穴が完全に埋まる
約3ヶ月経つと、歯茎や骨も完全に再生して穴が埋まります。
歯周ポケットが深い人でなければ、緩やかな山の形で歯茎が形成されているでしょう。
では次に、親知らず抜歯後に穴が塞がるまでのおすすめの過ごし方や注意点を紹介していきます。
親知らず抜歯後の穴が塞がるまでの過ごし方
親知らず抜歯後の穴を早く防ぎたい方は、抜いた後の正しい過ごし方を知っておくのがおすすめでしょう。
なぜなら、誤った過ごし方をしてしまうと、傷の治りが悪くなってしまうからです。
具体的には、
- 抜歯当日は飲酒を避ける
- 硬い食べ物や刺激物は数日~数週間は避ける
- 激しい運動は約2~3日控える
- お風呂は約2~3日シャワーにする
- できる範囲で節煙・禁煙をする
- 歯磨きやうがいで抜歯部位を刺激しない
- 処方された内服薬は飲み切る
などのポイントに注意して過ごしましょう。
もう少し詳しく知りたい方は、以下記事で抜歯後の過ごし方について解説しているのであわせて参考にしてくださいね!
抜歯後の口臭は約1~2週間でおさまるケースが多い
親知らず抜歯後は、
- 傷口に汚れや細菌が付着しやすい
- 抜いてできた穴に食べカスがたまりやすい
- 傷口に血がたまる
- 傷口が炎症を起こして膿んでしまう
などの理由から、通常よりも口臭が強くなるケースが多いです。
ただし、血餅が肉芽組織に変わり始める抜歯後の約1~2週間でほとんどの場合は口臭がおさまります。
口臭が気になるからといって、
- 頻繁にうがいをしたり
- 抜歯部位にで歯ブラシを当てたり
すると、穴が塞がるのが遅れて、かえって口臭も長引いてしまうので注意してくださいね。
抜歯後の穴に食べカスが詰まったらどうする?
抜歯後の穴に食べカスが詰まってしまったら、軽く口をゆすいでみましょう。
食べカスが詰まったまま放置してしまうと、細菌感染を起こして炎症が引き起こされる可能性があります。
ただし、これまでご説明したように食べカスが詰まっているからといって、強くうがいをしてしまうと、せっかくできた血餅も剥がれてしまいます。
そのため、食べカスがどうしても取れない場合には、担当医に相談をして除去してもらうのがおすすめでしょう。
ドライソケットの注意したい症状
抜歯後にかさぶたの役割を果たす血餅ができていなかったり剥がれてしまったりしていると、
- 抜歯した穴の顎骨が露出したままになり
- 細菌感染が起きて
ドライソケットという状態になることがあります。
ドライソケットになると、
- 抜歯後2~3日で強い痛みが出てくる
- 痛みが長引いてしまう
- 飲食時の刺激で激しく痛む
など、痛みを伴う症状が出るので、気になる場合には早めに担当医に相談をしましょう。
ドライソケットを予防するには、「抜歯後数日は頻繁にうがいをしない」「患部を舌や指で刺激しない」のが1番です。
ぜひ覚えておいてくださいね!
親知らず抜歯後の穴が塞がる期間の結論
それでは最後に、本記事の重要なポイントをおさらいしていきます。
親知らず抜歯後の穴が完全に塞がるのは、個人差はありますが抜いてから約3ヶ月くらい経った頃です。
大まかには、
①抜歯当日:血餅(けっぺい)ができる
②抜歯3日~4日後:歯茎の再生がはじまる
③抜歯1週間後:血餅が肉芽組織に変わる
④約1ヶ月後:骨が再生し始め歯茎で穴が覆われる
⑤約3ヶ月以降:穴が完全に埋まる
といった流れで、抜歯後の穴が塞がっていきます。
傷の治りを良くするためにも、抜歯後は
・抜歯当日は飲酒を避ける
・硬い食べ物や刺激物は数日~数週間は避ける
・激しい運動は約2~3日控える
・お風呂は約2~3日シャワーにする
・できる範囲で節煙・禁煙をする
・歯磨きやうがいで抜歯部位を刺激しない
・処方された内服薬は飲み切る
といったポイントに注意して過ごしましょう!
以上、今回は親知らず抜歯後にできた穴が塞がるまでの期間や流れについて紹介しました。
当院では、親知らず抜歯後の経過が良くなるように、日本口腔外科学会所属の認定医が患者さまへの負担が少ない施術を心がけております。
抜歯後の痛みや腫れが不安な方は、ぜひ遠慮なくご相談くださいね!
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ