【磨きにくい親知らず】虫歯&歯周病の4つの予防法を歯科医師が解説
- 2022.04.28
親知らずといえば、奥に生えている関係でなにかと磨きにくいですよね。
実際に患者さまのお口の中を見ていても、親知らずを適切に管理できている人は少ない印象です。
そこで本記事では、日本口腔外科学会・認定医が在籍する北戸田COCO歯科が、磨きにくい親知らずの衛生管理について知っておいたほうが良い情報を簡単に紹介していきます。
①親知らずが磨きにくい2つの理由
②親知らずの虫歯や歯周病を予防する方法
③親知らずを放置すると発生する3つの問題
では、さっそく本文にうつっていきましょう!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らずが磨きにくい2つの理由
親知らずが磨きにくい理由は大きく分けて、
- 最奥の歯だから
- 正常な生え方をしていないケースが多いから
の2つです。
それぞれどういうことか、お話していきますね!
①最奥の歯だから
親知らずが磨きにくい理由1つ目は、「最奥の歯だから」です。
親知らずは前から8番目の最奥に生えている歯のため、
- よく見えない
- 歯ブラシが当たりにくい
などの理由から磨きにくくなっています。
②正常な生え方をしていないケースが多いから
親知らずが磨きにくい理由2つ目は、「正常な生え方をしていないケースが多いから」です。
親知らずは通常の歯とは異なり、
- 横向きや斜め
- 歯茎に埋もれる
など正常な生え方をしていない歯が多い傾向にあります。
そのため、歯ブラシをしっかり当てていても、磨ききれない場合があるのです。
では次に、そんな磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防する方法を紹介していきます。
磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防する4つの方法
磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防するのに有効な方法は、
- 専用のデンタルケアグッズを使う
- 歯ブラシの当て方を変える
- 歯医者の定期検診でクリーニングを受ける
- 抜歯を検討する
です。
それぞれの方法について、詳しく解説していきますね!
①専用のデンタルケアグッズを使う
磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防する1つ目の方法は、「専用のデンタルケアグッズを使う」です。
具体的には、
- ヘッドが小さい歯ブラシ
- デンタルフロス
- 歯間ブラシ
- タフトブラシ
- フッ素配合の歯磨き粉またはジェル
- マウスウォッシュ(洗口液)
を利用することで、最奥に生えていて正常でない生え方をしている親知らずのケアがしやすくなります。
詳しいデンタルケアグッズの選び方は、以下記事で詳しく紹介しているのであわせて参考にしてくださいね!
②歯ブラシの当て方を変える
磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防する2つ目の方法は、「歯ブラシの当て方を変える」です。
具体的には、
- 歯の並びに対して、「斜め45度」から歯ブラシを入れて小刻みに動かす
- 小さめに口を開けて、歯ブラシを奥まで入れやすくなる
- 上・両サイド側などすべての面にしっかり歯ブラシを当てて磨く
の3つを意識した磨き方を実践すると、磨きにくい親知らずもしっかり清掃できるようになります。
③歯医者の定期検診に通ってクリーニングを受ける
磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防する3つ目の方法は、「歯医者の定期検診に通ってクリーニングを受ける」です。
歯医者では、定期検診で歯科衛生士と呼ばれるお口の健康づくりと口腔ケアのプロに、
- 正しい磨き方やデンタルケアグッズの使い方の指導(TBI)
- 歯ブラシだけでは取り切れない汚れの除去
などをしてもらえます。
そのため、セルフケアだけよりも格段に親知らずの虫歯や歯周病を予防しやすくなるのです。
④抜歯を検討する
磨きにくい親知らずの虫歯や歯周病を予防する4つ目の方法は、「抜歯を検討する」です。
一口に親知らずと言っても、
- 上下の歯が噛み合っている
- 虫歯・歯周病の症状がない
- 歯磨きしやすい(清掃しやすい)
正常な生え方をした親知らずであれば、将来的な治療利用も考えて無理に抜歯をする必要はありません。
しかし、
- 痛みや腫れを感じたことがある
- 虫歯や歯周病になっている
- 親知らずの噛み合う歯がない
- 横向きまたは埋もれた状態で生えている
- 嚢胞(のうほう)の原因になっている
の5つのケースは頑張ってセルフケアをして残しても、トラブルを発生させやすいです。
そのため、場合によっては抜歯を検討したほうがお口全体の健康を守りやすくなります。
では次に、磨きにくい親知らずを放置した場合に発生する問題について紹介していきます。
磨きにくい親知らずを放置すると発生する3つの問題
磨きにくい親知らずを放置すると発生する問題は、
- 歯ぐきが腫れたり痛んだりする(智歯周囲炎)
- 虫歯が進行しやすくなる
- 口臭が発生する
の3つです。
一つひとつどういうことか、お話していきますね!
①歯ぐきが腫れたり痛んだりする(智歯周囲炎)
磨きにくい親知らずを放置すると発生する問題1つ目は、「歯ぐきが腫れたり痛んだりする(智歯周囲炎になる)」です。
智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは、親知らず周りの炎症のことで放っておくと、
- 頬や歯茎に痛みや腫れを感じる
- 奥歯に鈍い痛みが続く、強く噛むと痛い
- 口の開閉がしにくくなる、顎がガクガクする
などの症状が出ます。
そのため、清掃状況が悪く細菌感染を起こして智歯周囲炎のリスクが高まっている場合には、歯医者で検査を受けた上で抜歯を検討したほうが良いでしょう。
②虫歯が進行しやすくなる
磨きにくい親知らずを放置すると発生する問題2つ目は、「虫歯が進行しやすくなる」です。
そもそも磨きにくい親知らずは、他の歯と比べて虫歯リスクが高くなります。
その虫歯を放置してしまうと、
- 痛みや腫れが出てくる
- 嚢胞や腫瘍の原因になることがある
- 歯が脆くなって抜きにくくなる
- 隣接する歯に虫歯菌が感染する
など、患者さまにとってマイナス面が大きいです。
そのため、
- 必要であれば、抜歯を検討する
- 検診で虫歯になっていないかを定期的にチェックする
- 定期的に歯医者でクリーニングしてもらう
などして、適切に管理したほうが良いでしょう。
③口臭が発生する
磨きにくい親知らずを放置すると発生する問題3つ目は、「口臭が発生する」です。
親知らずは元々、
- 一部が埋もれて生えていると、食べかすが溜まりやすい
- 斜めや横向きに生えていると、歯ブラシが当たりにくい
といった理由で汚れが溜まりやすく、口臭が発生しやすいです。
そのため、やはり放置せずに親知らずの状態に合わせて、
- 必要であれば、抜歯を検討する
- 定期的に歯医者でクリーニングしてもらう
を実践するのがおすすめでしょう。
磨きにくい親知らずの結論
それでは最後に、磨きにくい親知らずについて重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らずは、
①最奥の歯だから
②正常な生え方をしていないケースが多いから
といった2つの理由で通常の歯よりも磨きにくいです。
そのため、虫歯や歯周病を予防するために、
①専用のデンタルケアグッズを使う
②歯ブラシの当て方を変える
③歯医者の定期検診に通ってクリーニングを受ける
④抜歯を検討する
の4つの方法を実践したほうが良いでしょう。
なぜなら、磨きにくい親知らずを放置してしまうと、
①歯ぐきが腫れたり痛んだりする(智歯周囲炎)
②虫歯が進行しやすくなる
③口臭が発生する
といった3つの問題が発生してしまうからです。
以上、今回は磨きにくい親知らずについてお話しました。
親知らずはセルフケアだけでは管理が難しく、抜歯をしたほうがお口全体の健康にプラスになるケースも多いです。
放置しておくとトラブルの原因になることもあるので、気になる場合には一度ご相談いただければと思います!
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