【喉の痛みと親知らず炎症の関係】2つの原因&対処法を歯科医師が解説
- 2022.04.29

親知らずの歯茎が腫れて、喉まで痛くなってきた。
親知らずを抜歯してから、飲み込むときに喉が痛い。
など親知らずによる喉の痛みを感じている方。
痛みの原因や対処法がわからないと、「いつまでこの痛みが続くんだろう」「この痛みは放置していれば自然に治るのかな?」と不安になりますよね。
そこで本記事では、日本口腔外科学会・認定医が在籍する北戸田COCO歯科が、以下の内容を中心に「喉の痛みと親知らず炎症の関係」について解説していきます。
①【ケース別】親知らずの炎症と喉の痛みの発生原因
②親知らずの炎症で喉の痛みが発生した場合の対処法
③親知らずの炎症と喉の痛みについてよくある質問

ぜひ、参考にしてくださいね^^

【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
【ケース別】親知らずの炎症と喉の痛みの発生原因

親知らずの炎症による喉の痛みは、主に
- 抜歯前
- 抜歯後
で発生原因が異なります。

それぞれケース別に、何が原因で喉の痛みを引き起こしているのかについて詳しくお話していきますね。
①抜歯前は智歯周囲炎の可能性が高い
抜歯前の親知らずによる喉の痛みは、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」の可能性が高くなります。
智歯周囲炎とは、汚れがたまり細菌が増えることで親知らずの周囲に炎症が起こる疾患です。
具体的な症状は以下のとおりで、炎症が広がると喉まで痛みを感じる場合があります。
・ものを飲み込む時に痛みが発生する
・顎の下のリンパ節が腫れる
・何もしていなくても、親知らずに鈍い痛みを感じる
・親知らず周辺に触れると痛む
・歯肉が腫れる
・歯茎から膿が出る
・開口障害(口を開けにくくなる)
また、お口を清潔な状態にすることで自然治癒することもありますが、
- ストレス
- 疲れ
- 睡眠不足
- 栄養バランスの偏り
など、体の免疫力が落ちると再発しやすいです。
②抜歯後は炎症が広がっている可能性が高い
抜歯前の親知らずによる喉の痛みは、「抜歯による炎症が喉まで広がっている」可能性が高いです。
というのも、親知らず抜歯は必要に応じて、
- 歯茎を切開する
- 顎骨を削る
といった処置が必要になります。
そのため、体に負担がかかり炎症が喉まで広がってしまうケースがあるのです。
特に下顎の親知らずは喉と近い位置に生えている影響で、上顎の親知らずよりも症状が出るケースが多くなっています。

では次に、親知らずの炎症で喉の痛みが発生した場合の対処法を2つ紹介していきます。
親知らずの炎症で喉の痛みが発生した場合の対処法2選

親知らずの炎症で喉の痛みが発生した場合には、状況に合わせて
- 抜歯前なら歯医者に行く
- 抜歯後は処方薬を飲み、軽くうがいをする
の2つのいずれかの対処法を実践するのがおすすめです。

それぞれ具体的にどうすればいいか、お話していきますね!
①抜歯前なら歯医者に行く
抜歯前に親知らず周辺の炎症で喉の痛みが発生している場合には、「歯医者に行く」のが1番の対処法になります。
なぜなら、仮に智歯周囲炎で痛みが発生している場合には、
①軽症:腫れている歯肉を洗浄して抗菌薬を処方
→痛みや腫れが治まったら、必要に応じて抜歯
②重症:飲み薬で症状が治まらないときは、抗菌薬の点滴
→頬部蜂窩織炎(きょうぶほうかしきえん)まで症状が進行している場合には、大学病院・総合病院口腔外科に紹介
など状態に合わせて、最適な処置を行ってもらえるからです。
すぐに歯医者に行けない場合は歯磨き&市販薬で対応
どうしてもすぐ歯医者に行けない場合は、
- 炎症部位を歯磨きして汚れを除去する
- 痛み止めを飲んで、炎症を抑える
といった応急処置を行うのがおすすめです。
ただし、上記の方法で痛みが一時的に治まっても、痛みや腫れが再発する可能性があります。
状態が悪化する前に、歯医者に様子を見せに行くようにしましょう。
②抜歯後は処方薬を飲み、軽くうがいをする
抜歯後に親知らず周辺の炎症で喉の痛みが発生している場合には、「処方薬を飲んで、軽くうがいをする」ことで症状が改善されるケースが多いです。
担当医の指導の元、処方薬をしっかり飲みきり、軽いうがいを適度にすることを意識してみてください。
ただし、必要以上に強いうがいをするのはNGです。
抜歯後に強いうがいを繰り返してしまうと、抜歯後の穴を塞ぐ役割を果たす「血餅(けっぺい:かさぶたのようなもの)」がはがれてしまいます。
また、処方薬を飲みきり軽いうがいをしても、喉の痛みが取れない場合には、早めに担当医に相談しましょう。

では次に、親知らずの炎症と喉の痛みについてよくある質問を3つ紹介していきます。
親知らずの炎症と喉の痛みについてよくある3つの質問

親知らずの炎症と喉の痛みについてよくある質問は、
- 抜かないと親知らずによる喉の痛みは治らない?
- 親知らずによる喉の痛みを予防する方法はないの?
- 抜歯後の喉の痛みはいつまで続く?
の3つです。

それぞれ歯科医師視点で回答していきますね!
Q1:抜かないと親知らずによる喉の痛みは治らない?
A.痛みが一時的に治まっても、抜歯をしないと喉の痛みは再発する可能性があります。
なぜなら、
- 洗浄
- 痛み止め
- 抗菌薬
などで一時的に喉の痛みがなくなっても、痛みの原因となる親知らずを取り除かないと、
- ストレス
- 疲れ
- 睡眠不足
- 栄養バランスの偏り
で体の免疫力が落ちた時に、炎症(痛みや腫れ)が再発するケースが多いからです。
また、炎症によって痛みや腫れなどの症状が出ている間は、
- 麻酔が効きにくい
- 治療後の治りが悪くなる
といった2つの理由からすぐに抜歯はできません。
そのため、親知らずを抜歯する場合には、炎症が引いて何も症状がないタイミングを狙うようにしましょう。
Q2:親知らずによる喉の痛みを予防する方法はないの?
A.あります。
具体的には、
- 抜歯前:定期検診(クリーニング)&セルフケアの強化
- 抜歯後:口腔外科に精通した歯医者で抜歯をする
のがおすすめです。
抜歯前の喉の痛みを予防したい場合は、親知らずをはじめとするお口の中の衛生状態を整えることで、炎症が起こる確率を減らせます。
詳しくは、以下記事を参考にしてみてください。
また、抜歯後の喉の痛みを予防したい場合には、口腔外科に精通した歯医者で抜歯をすることで、傷口を最小限に抑えて炎症範囲を広げないようにできます。
こちらも詳しくは、以下の記事を参考に歯医者選びをしてみてくださいね!
Q3:抜歯後の喉の痛みはいつまで続く?
A.個人差はありますが、ほとんどの場合は1週間前後で痛みが落ち着きます。
ちなみに、痛みや腫れのピークは抜歯後の2日前後で、3~4日ほどで徐々に症状が緩和されていきます。
1週間を過ぎても痛みがどんどん強くなる場合には、
- なんらかの異変が起きたり
- ドライソケットになっている
可能性があります。

担当医に早めに相談をしてみましょう。
親知らずの炎症と喉の痛みの結論
それでは最後に、親知らずの炎症と喉の痛みについて重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らずの炎症による喉の痛みの原因は、
・抜歯前は智歯周囲炎
・抜歯後は炎症が広がっている
が関係している可能性が高いです。
そのため、喉の痛みが発生している場合には原因にあわせて
・抜歯前なら歯医者に行く
・抜歯後は処方薬を飲み、軽くうがいをする
のように対処するのがおすすめです。
また、喉の痛みと親知らずについてのよくある質問への回答は以下のようになっています。
①抜かないと親知らずによる喉の痛みは治らない?
→痛みが一時的に治まっても、抜歯をしないと喉の痛みが再発する可能性がある。
②親知らずによる喉の痛みを予防する方法はないの?
→ある。(抜歯前と抜歯後で予防法が変わる)
③抜歯後の喉の痛みはいつまで続く?
→個人差はあるが、ほとんどの場合は1週間前後で痛みが落ち着く。
以上、今回は喉の痛みと親知らずの炎症についてお話しました。
自己判断で放置してしまうと、状態が悪化してしまうケースが多いです。

ご心配な場合には、ぜひ一度ご相談ください。
当院の日本口腔外科学会・認定医が、しっかりお口の中の状態を検査・診断した上で、処置を行います^^
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ