親知らず抜歯時の神経麻痺リスクとは?トラブル回避の方法を解説
- 2021.11.30
親知らずを抜くのが怖いとき、ネットで事前に様々な情報収集を行う方も多いと思います。
中には、”抜歯をしたら神経麻痺になるリスクがある”という事実を知って、怖くなってしまった方もいるかもしれません。
しかし、この後にも詳しく説明しますが、親知らず抜歯で神経麻痺の症状が出る人はほとんどいません。
むしろ神経麻痺を恐れて、問題がある親知らずを放置するほうが後々大きなトラブルに繋がる確率が高いと言えます。
闇雲に恐れるのではなく、まずは本記事を読んで正しいリスクレベルやトラブル回避の方法を知っていただければと思います!
では、さっそく本文に移っていきますね^^
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らず抜歯時の神経麻痺とは?
親知らず抜歯時に起こる神経麻痺とは、「別名:下歯槽神経麻痺(かしそうしんけいまひ)」と呼ばれ、下の親知らずの抜歯時に
- 神経に触れた・傷つけた
- 患部が炎症を起こして神経を圧迫した
などの場合に起こる神経麻痺症状のことです。
下顎の神経は歯の下側を走っているため、抜歯する歯と神経が近接していたケースではこういったトラブルが発生する場合があります。
では次に、神経麻痺の症状について詳しくお話していきます。
神経麻痺の症状
親知らず抜歯後に神経麻痺になった場合には、唇や舌を中心に以下のような症状が発生します。
・しびれる、ビリビリする
・感覚が過敏になり、痛みを感じる
・感覚が鈍くなり、触った感じがしなくなる
・唇や舌をうまく動かせなくなる
・話しにくくなる
・水を飲んだときにこぼしやすくなる など
では次に、上記のような神経麻痺の症状が出る割合について説明していきます。
神経麻痺が発生する割合
神経麻痺と言われると不安な気持ちになるかもしれませんが、親知らず抜歯で神経麻痺になる人の割合はごくわずかです。
具体的には、以下のような割合で症状が出ています。
・歯と神経の接触がない場合:0.0%
・歯と神経が接触している場合:0.0%
・歯と神経が重なっている場合:2.9%
つまり、歯と神経が重なっていなければ、そもそも神経麻痺の心配をする必要はありません。
とはいえ、確率的には少なくても、神経麻痺リスクがあるのは怖いものですよね。
そういった方はこの次に紹介する「親知らず抜歯時の神経麻痺リスクを軽減する方法」をぜひ参考にしてみてください^^
親知らず抜歯時の神経麻痺リスクを軽減する方法
親知らず抜歯時の神経麻痺リスクを軽減するためには、
- 3DCT検査機器を設置している
- 日本口腔外科学会所属の歯科医師がいる
歯医者で検査を受けるのがおすすめでしょう。
なぜなら、3DCT検査機器があれば、通常のレントゲンでは見ることができない歯と下顎の神経の重なりを三次元的にチェックできるからです。
逆に言えば、CTを設置していない歯医者では、「神経の位置を完全には把握できない=神経麻痺リスクが上がってしまう」デメリットがあります。
さらに、日本口腔外科学会に所属している歯科医師がいると、下側の親知らずのリスクについて適切に診断・処置してもらえる可能性が高いです。
親知らず抜歯時の神経麻痺が怖い方は、予約前に歯医者HPなどで「3DCT検査機器」と「日本口腔外科学会所属の歯科医師」の有無をチェックするようにしましょう!
では次に、神経麻痺の症状がどのくらいで治るのかついて紹介していきます。
親知らず抜歯後の神経麻痺症状!治るまでの期間は?
親知らず抜歯後の神経麻痺は、ほとんどの場合が挫滅や圧迫で「数週間~数ヶ月で回復する一過性のケース」が多いです。
また、半年たっても神経麻痺の症状が出ている割合は、全体の0.05%に留まっています。※
ただし、神経麻痺の症状が治まるまでの期間は個人差があるので注意が必要です。
中には、1~2年経っても症状を感じる人もいるとの報告があがっています。
では次に、神経麻痺の治療法を紹介してきます。
神経麻痺の治療法
神経麻痺の症状が出た場合、多くの歯医者で「ビタミンB12製剤を経口投与しながら経過観察」をするケースが多いです。
その後の経過が思わしくない場合は、多角的に痛みの原因を診断&治療できるペインクリニック科や大学病院に紹介されます。
ちなみに、大学病院やペインクリニック科では、
- 星状神経節ブロック(交感神経に麻酔薬を注射して血流を改善する)
- 理学療法(温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いる治療法)
- 薬物療法(ステロイド剤、非ステロイド剤、抗うつ剤、抗痙攣剤などを処方)
- 低出力レーザー(特殊な光を当てて、患部の炎症を抑え血流を改善させる)
などの専門的治療を行う場合が多いです。
それでも症状の改善が見込まれない場合は、一部施設で神経再生手術などの外科的治療を受けることになるケースもあります。
親知らずと神経麻痺リスクの結論
それでは最後に、親知らずと神経麻痺リスクについて重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らず抜歯時に起こる神経麻痺リスクとは、「別名:下歯槽神経麻痺(かしそうしんけいまひ)」と呼ばれ、下の親知らずの抜歯時に
・神経に触れた、傷つけた
・患部が炎症を起こして神経を圧迫した
などの場合に起こる神経麻痺症状のことです。
親知らず抜歯で神経麻痺になる人の割合はごくわずかで、
・歯と神経の接触がない場合:0.0%
・歯と神経が接触している場合:0.0%
・歯と神経が重なっている場合:2.9%
のように、歯と神経が重なっていなければ、神経麻痺の心配をする必要はありません。
ただし、よりリスクを減らすためには予約前に歯医者HPなどで
・3DCT検査機器
・日本口腔外科学会所属の歯科医師
の有無をチェックするのがおすすめです。
また仮に抜歯後に神経麻痺の症状が現れた際も、ほとんどの場合は「数週間~数ヶ月で回復する一過性のケース」が多いです。
以上、今回は親知らず抜歯時の神経麻痺リスクについて紹介しました。
ここまで読んでいただいてわかるように、親知らず抜歯時に神経麻痺になる確率はあまり多くありません。
しかし、より安全かつ的確な抜歯を行うためには、
・3DCT検査機器
・日本口腔外科学会所属の歯科医師
の有無が重要になってくるケースが多いです。
当院でも患者さまに安心して治療を受けていただくために、上記2つの環境を完備しております。
ご不安な場合には、お気軽にご相談くださいませ^^
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ