矯正治療で親知らず抜歯は必ず必要?よくある6つの質問に歯科医師が回答!
- 2021.12.28
親知らずが生えているけど、矯正するなら抜歯しなきゃダメ?
そんなご質問を患者さまからいただくことがあります。
結論からお伝えすると、患者さまのお口の中の状態や生え方によって対応が変わります。
とはいえ、そんな答えでは納得できませんよね。
そこで本記事では、「日本口腔外科学会・認定医」と「日本矯正歯科学会所属の歯科医師」が在籍する北戸田COCO歯科が、
- 矯正で親知らず抜歯は必要?3つのケース別の答え
- 矯正治療と親知らずについてよくある質問6選
の順に、矯正治療と親知らずについて詳しく解説していきます!
ぜひ、参考にしてくださいね^^
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
矯正で親知らず抜歯は必要?3つのケース別の答え
矯正治療をスタートする際に親知らず抜歯が必要になるか否かは、
- 正常な生え方をしていれば抜かなくてもOK!
- 歯並びやお口の健康に悪影響を与えるなら抜歯が必要
- 前歯がスペース不足なら抜歯が必要になる可能性あり
のように大きく3つのケースによって対応が変わります。
それぞれどういうことか、詳しくお話していきますね!
①正常な生え方をしていれば抜かなくてもOK!
大前提として、親知らず=必ず抜歯しなければいけないわけではありません。
もちろん、それは矯正治療をスタートする場合でも同じです。
- 正常に真っ直ぐ生えていて
- 噛み合う上下の歯が生え揃い
- 痛みや腫れの症状が出ていなければ
無理をして、抜く必要はないのです。
むしろ、問題がない生え方をしているのであれば、残しておくことで将来的に
- 矯正治療
- ブリッジの土台
- 歯牙移植
など、様々な治療で親知らずを利用できる可能性があります。
②歯並びやお口の健康に悪影響を与えるなら抜歯が必要
先程、「親知らず=必ず抜歯しなければいけないわけではない」とお伝えしました。
ただし、歯並びやお口の健康に悪影響を与える問題がある親知らずについては抜歯をしたほうがメリットが大きいです。
具体的には、
- 痛みや腫れを感じたことがある
- 虫歯や歯周病になっている
- 親知らずの噛み合う歯がない
- 横向きまたは埋もれた状態で生えている
- 嚢胞(のうほう)の原因になっている
の5つのケースは矯正治療をする・しない関係なく早めに抜くのをおすすめします。
というのも、問題がある親知らずを放置すると、
- 横向きの親知らずが歯並びに悪影響を及ぼす
- 清掃不良で口臭の原因になる
- 虫歯や歯周病が発生しやすくなる
- 健康な手前の歯もトラブルに巻き込まれやすくなる
- 痛みや腫れが出てからでは、すぐ抜けない
などのトラブルが起きる可能性が高まるからです。
問題がある親知らずを放置するのは、百害あって一利なし。
若いうちのほうが抜きやすいケースが多いので、気になる場合には早めに担当医に相談しましょう!
③前歯がスペース不足なら抜歯が必要になるケースも
ここまで生え方に問題がなければ、親知らずは抜かなくて良いとお伝えしました。
しかし、例外として矯正治療をする場合は「前歯がスペース不足なら抜歯が必要になるケース」もあります。
というのも、生まれつき顎骨が小さく前歯にスペースが無い場合、歯を後方に下げるために親知らず抜歯が必要になるからです。
ただし、様々な治療方針があるため、矯正担当医によって親知らず抜歯をするか否かの見解が異なる場合もあります。
抜歯の必要性を見極めたい場合には、セカンドオピニオンを利用して複数の矯正歯科医の意見を聞くのがおすすめでしょう。
では次に、「矯正治療」と「親知らず」について患者さまからよく聞かれる質問にお答えしていきます!
矯正治療と親知らずについてよくある質問6選
矯正治療と親知らずについてよくある質問は、
- 矯正歯科でも親知らず抜歯はしてもらえる?
- 矯正のための親知らず抜歯は保険適用になる?
- 親知らずのせいで歯並びが悪くなることはある?
- 親知らずを抜いたら歯並びが治ることはある?
- 矯正で親知らずを抜く場合のタイミングはいつ?
- 矯正治療中に親知らずが生えてきたら抜歯は必要?
の6つです。
一つひとつお答えしていきますね!
Q1:矯正歯科でも親知らず抜歯はしてもらえる?
A.親知らずの生え方や歯医者によって異なります。
矯正専門の歯医者では、抜歯を行っていないところもあります。
また正常に真っ直ぐ生えている場合は抜歯が可能でも、
- 歯根(歯の根)が肥大・湾曲している
- あご骨と歯が癒着している
- 歯の一部またはすべてが埋もれている
- 横向き、斜めに生えている
などの難抜歯のケースでは、口腔外科専門の歯医者や大学病院を紹介されることがあるので担当医への事前確認が必要でしょう。
もしご心配な場合には、当院のように口腔外科・矯正をそれぞれ担当する歯科医師がいる総合的治療が可能な歯医者を選ぶのがおすすめです。
→当院の親知らず専門サイト
→当院の矯正治療専門サイト
Q2:矯正のための親知らず抜歯は保険適用になる?
A.矯正のための親知らず抜歯は、保険適用外のため全額自己負担です。
ただし、親知らずが何らかのトラブルの元になっている場合には、歯科治療の抜歯として保険適応になるケースもあります。
Q3:親知らずのせいで歯並びが悪くなることはある?
A.医学的には証明されていませんが、以下の2つの特徴のいずれかに該当する親知らずは歯並びに悪影響を及ぼす可能性があると考えられています。
歯並びに悪影響を与える可能性があるのは、
- 下あごが小さく親知らずが生えてくるスペースがない
- 親知らずが横向きや斜めに生えて、前の歯を後ろから押している
の2つの特徴をもつ親知らずです。
Q4:親知らずを抜いたら歯並びが治ることはある?
A.大変残念ながら親知らずを抜いても、一度悪くなった歯並びは治りません。
悪くなってしまった歯並びを治すには、矯正治療が必要になります。
ただし、親知らずが歯並びに悪影響を及ぼしている可能性が高い場合には、抜歯することでこれ以上歯並びが悪くなるのを予防できる可能性があります。
Q5:矯正で親知らずを抜く場合のタイミングはいつ?
A.通常は、矯正治療前に抜歯するケースが多くなります。
なぜなら、
- 矯正治療は数年かかるケースが多いので、問題があるなら早く抜いたほうがいい
- 矯正治療に親知らずが邪魔になることがある
などの理由があるからです。
ただし、矯正治療をある程度進めてからのほうが親知らずが抜きやすいと判断された場合には、治療中や治療後に抜歯の計画が立てられることもあります。
担当医の治療方針によっても抜歯タイミングが異なるので、気になる方は事前に相談してみましょう!
Q6:矯正治療中に親知らずが生えてきたら抜歯は必要?
A.口内トラブルの原因になっていたり、矯正治療に支障をきたしたりしている場合には、抜歯が必要になります。
ただし、途中で親知らずが生えても、それが原因で歯列矯正を中断したりやり直したりすることはありません。
なぜなら親知らずは、一般的に歯列矯正の対象外の部分だからです。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正(インビザライン等)
でも通常は親知らずには装置をつけませんので、ご安心ください。
親知らずと矯正治療についての結論
それでは最後に、親知らずと矯正治療について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
矯正治療をスタートする際に親知らず抜歯が必要になるか否かは、
①正常な生え方をしていれば抜かなくてもOK!
②歯並びやお口の健康に悪影響を与えるなら抜歯が必要
③前歯がスペース不足なら抜歯が必要になる可能性あり
のように大きく3つのケースによって対応が変わります。
また、矯正治療と親知らずについてよくある質問への回答は、以下のとおりです。
①矯正歯科でも親知らず抜歯はしてもらえる?:歯医者や生え方による
②矯正のための親知らず抜歯は保険適用になる?:ならないが、ケースバイケース
③親知らずのせいで歯並びが悪くなることはある?:生え方や状態による
④親知らずを抜いたら歯並びが治ることはある?:治りません。
⑤矯正で親知らずを抜く場合のタイミングはいつ?:矯正治療前が多い
⑥矯正治療中に親知らずが生えてきたら抜歯は必要?:生え方や状態による
以上、今回は親知らずと矯正治療について紹介しました。
当院には、歯列矯正・口腔外科それぞれに精通した担当医がおります。
各分野のエキスパートが連携しベストな治療プランをご提案することが可能ですので、お困りの際は遠慮なくご相談ください^^
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ