【親知らず抜歯後の過ごし方】食事・歯磨き・運動の注意点を歯科医師が解説
- 2021.08.26
親知らず抜歯後は安静にしたほうが良いって聞いたことがあるけど、具体的に「いつまで」「どんなふうに」過ごせばいいの?
と疑問に思いますよね。
抜歯後に仕事や学校などの予定がある人は、なおさら通常通りの過ごし方で問題ないのか不安に思うはずです。
そこで本記事では、日本口腔外科学会・認定医が在籍する北戸田COCO歯科が、以下の方に役立つ情報を紹介していきます。
・抜歯後に食べられるものを知りたい方
・いつからタバコ・お酒・運動がOKになるか知りたい方
・傷口を早く治すポイントを知りたい方
食事と生活の注意点を一つひとつ紹介していきます。
それでは、さっそく本文にうつっていきましょう!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
※注意:本記事で紹介しているのは、親知らず抜歯後に注意すべき”目安の期間”です。どのくらいで症状が落ち着くかは個人差があるので、詳しくは担当医に確認しましょう。
親知らず抜歯後の過ごし方【食事編】
親知らず抜歯後の食事では、主に
- 飲酒
- 食べ物の柔らかさや刺激
の2点について注意が必要です。
それぞれ、具体的に「何を」「何日気をつければいいのか」お話していきますね。
①抜歯当日は飲酒を避けるのがおすすめ
親知らず抜歯の当日は、飲酒を避けるのがおすすめです。
なぜなら、アルコールによって血の巡りが良くなってしまうと、
- 強く腫れる
- 炎症が起きる
- 血が止まりにくくなる
- 傷の治りが悪くなる
などの問題が発生するケースがあるからです。
また、親知らず抜歯後は必要に応じて
- 鎮痛剤:痛みや腫れを軽減する
- 抗生物質:感染症予防
などの薬が処方されます。
アルコールの摂取によって、「薬の作用が増強または減弱する」「予期せぬ副作用が現れる」などのトラブルも発生するため、薬の服用期間中は飲酒を控えたほうが良いでしょう。
②硬い食べ物や刺激物は数日~数週間は避ける
親知らず抜歯後から数日~数週間は、傷口の深さに合わせて硬い食べ物や刺激物は避けるのがおすすめです。
なぜなら、親知らずを抜いてすぐは傷口が塞がっていない影響で、
- 硬い食べ物が当たると痛い
- 硬い食べ物を噛んでしまって傷口が広がる
- 炭酸水や香辛料がしみる
などの問題が発生しやすいからです。
実際にどのくらい控えればいいかは、傷口の広さ(深さ)によって異なるので担当医に確認してみてくださいね!
また、抜歯直後の1~2時間は食事そのものを控えてください。
麻酔が効いている関係でお口の中の感覚が鈍っており、
- 熱い物を食べて火傷をしたり
- 頬や唇を歯で噛んで傷つけたり
するリスクが高くなっているからです。
・おかゆや雑炊
・柔らかく煮込んだ麺類
・くたくたに煮込んだスープ
・ゼリー、ヨーグルト
→歯で噛み切る力が必要ないものがおすすめ
・フランスパン
・ナッツ類
・おせんべい
・噛みちぎる力が必要なお肉
・お餅などの粘着性が強い食べ物
・極端に熱いまたは冷たい飲食物
・炭酸飲料
・香辛料が豊富な激辛料理(カレー、担々麺など)
→刺激物や硬い食べ物は避けるのがおすすめ
では次に、親知らず抜歯後に生活面で注意したいポイントを紹介していきます。
親知らず抜歯後の過ごし方【生活編】
親知らず抜歯後の生活では、
- 痛みや腫れの症状が出る場合がある
- 激しい運動は約2~3日控えて安静にする
- お風呂は約2~3日はシャワーにする
- 喫煙は5日~1週間程度は控えるのが理想的
- 歯磨きやうがいで抜歯部位を刺激しない
- 処方された内服薬は飲み切る
の6点に注意が必要です。
それぞれ詳しく紹介していきますね!
①痛みや腫れの症状が出る場合がある
親知らず抜歯後の生活では、「痛みや腫れの症状が出る場合がある」点に注意してください。
具体的には、
- 下顎に生えている
- 今までに何度か痛みや腫れの症状が出たことがある
- 横や斜めの向きに生えている
- 歯茎に埋もれている部分が多い
- 親知らずの根っこの形が複雑
- 顎骨と癒着している
といった特徴を持つ親知らずは、痛みや腫れの症状が出やすいです。
心配な方は、学校や会社が休みになる前日を狙って抜くのがおすすめでしょう!
②激しい運動は約2~3日控えて安静にする
第2に親知らず抜歯後は、「激しい運動は約2~3日控えて安静にする」のがおすすめです。
なぜなら、激しい運動によって血行が良くなりすぎると、
- 腫れや痛みを強く感じる
- 血が止まりにくくなる
- 傷の治りが悪くなる
などの問題が発生するケースがあるからです。
③お風呂は約2~3日はシャワーにする
第3に親知らず抜歯後は、「お風呂は約2~3日はシャワーにする」のがおすすめです。
こちらも運動と同様に長風呂によって血行が良くなりすぎると、
- 腫れや痛みを強く感じる
- 血が止まりにくくなる
- 傷の治りが悪くなる
などの問題が発生するケースがあるからです。
④喫煙は5日~1週間程度は控えるのが理想的
第4に親知らず抜歯後は、「喫煙は5日~1週間程度は控えるのが理想的」です。
なぜなら、タバコの主成分であるニコチンの血管収縮作用によって、
- 傷の治りが遅くなる
- 痛みや腫れの症状が強く出てしまう
ケースがあるからです。
ただし、どうしても禁煙が難しい方は、1日10本程度に控えていただくだけでも状態が悪化するのを防ぎやすくなります。
できる範囲で節煙・禁煙を心がけてみてくださいね!
⑤歯磨きやうがいで抜歯部位を刺激しない
第5に親知らず抜歯後は、「歯磨きやうがいで抜歯部位を刺激しない」ように注意してください。
というのも、親知らずを抜いたばかりの段階では傷口が塞がりきっていません。
抜歯部位が気になるからといって、
- 強いうがいをする
- 歯ブラシを当てる
- 舌で触る
などをしていると、傷口が広がったりかさぶたが取れたりして治りが悪くなってしまう可能性があるのです。
早く治したい場合には、できるだけ触れない・触らないを徹底しましょう!
⑥処方された内服薬は飲み切る
第6に親知らず抜歯後は、「処方された内服薬を飲み切る」のを忘れないようにしましょう!
なぜなら、痛みや腫れがなくなった場合でも、抗生物質は感染症予防のために飲み切ることが重要だからです。
ただし、頓服で処方された鎮痛剤は飲みきらなくても問題ありません。
心配な場合には、遠慮なく担当医に確認してみてくださいね!
では次に、親知らず抜歯後を考えた理想的な抜くタイミングについてお話していきます。
親知らず抜歯後を考えた理想的な抜くタイミング
親知らず抜歯後を考えた理想的な抜くタイミングは、休日の前日です。
例)土日休みなら、金曜または土曜に抜く
なぜなら、仮に抜歯後に痛みや腫れの症状が出た場合にも、次の日は自宅でゆっくり休めるからです。
また、体の抵抗力が下がっていると痛みや腫れも出やすくなります。
できるだけ抜歯前は、睡眠や食事をしっかりとって体調を整えておきましょう。
親知らず抜歯後に注意すべき症状とは?
親知らず抜歯後に、
- 痛み止めを飲んでも激しい痛みを感じる
- 薬を飲んでから下痢や湿疹が出る
- 日が経つにつれて、痛みが強くなる
- 唇がしびれる
- 口が開かない
などの症状が出た場合には、注意が必要です。
- 傷口から細菌が入った(ドライソケット)
- 歯のかけらがまだ残っている
- 歯の神経が抜歯するときに傷ついた
などが原因で症状が出ている可能性があります。
1週間以上経っても軽減しない場合は、症状が長引く恐れがあるので早めに担当医に連絡をしましょう!
また、こういったトラブルを可能な限り避けるためにも、口腔外科に精通した歯医者で親知らずを抜くのがおすすめです。
親知らず抜歯後の過ごし方の結論
それでは最後に、親知らず抜歯後の過ごし方で重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らず抜歯後の食事では、主に
・飲酒:当日は控える
・食べ物:硬いもの・刺激物は数日~数週間控える
のがおすすめです。
生活面では、
①痛みや腫れの症状が出る場合がある
②激しい運動は約2~3日控えて安静にする
③お風呂は約2~3日はシャワーにする
④喫煙は5日~1週間程度は控えるのが理想的
⑤歯磨きやうがいで抜歯部位を刺激しない
⑥処方された内服薬は飲み切る
の6点に注意して、できるだけ安静に過ごしましょう。
また、抜歯後に安静に過ごすためにも、休日の前日に抜歯をするのがおすすめです。
抜歯に向けて、体調を整えておきましょう。
以上、今回は親知らず抜歯後の過ごし方について紹介しました。
当院では、患者さまのご不安を少しでも取り除くために抜歯前後の説明も徹底しております。
説明を受ける中で気になる点がございましたら、遠慮なくスタッフや担当医までお声がけください。!
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ