親知らずと顎関節症の関係!代表的な症状や対処法を歯科医師が解説
- 2021.11.24
最近、口を大きく開けにくくなった。
顎に違和感や痛みを感じることが増えた。
など顎関節症の症状を感じている方。
実は、その「顎関節症」と「親知らず」は関係している可能性があります。
とはいえ、なぜ親知らずがあると顎関節症を発症するケースがあるのかわかりませんよね。
そこで本記事では、日本口腔外科所属の歯科医師が在籍する北戸田COCO歯科が、
- 親知らずと顎関節症の関係
- 顎関節症の代表的な症状3選
- 顎関節症で親知らず抜歯ができないときの対処法
の順に、親知らずによる顎関節症について知っておくと役立つ情報を紹介していきます。
ぜひ、参考にしてくださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らずと顎関節症!どうして関係があるの?
親知らずが
- 横向きや斜めに生えている
- 歯ぐきに埋もれた状態で生えている
- 上下どちらかが生えていない
など正常な生え方をしていない影響で、噛み合わせのズレが発生して顎関節症を発症することがあります。
具体的には、親知らずによって噛み合わせが悪くなっていると、左右の顎でバランス良く噛めなくなり、
- 片顎への負荷が増えて
- 顎関節症を引き起こしてしまうケース
があるのです。
ただし、顎関節症の原因は1つだけではなく、複数の要因が重なっていることが多いです。
顎関節症の的確な診断結果を得るためにも、一度歯医者で検査を受けてみるのがおすすめでしょう。
抜歯時に顎関節症になるケースも稀にある
親知らずを抜歯した際に、稀に顎関節症を発症するケースがあります。
というのも、
- 横向きや斜めに生えている
- 歯ぐきに埋もれている
- 顎骨と癒着している
- 虫歯でボロボロになっている
など、高難易度の親知らずは、抜歯時に口をいつもより長時間大きく開ける影響で顎関節症になるリスクが高まってしまうのです。
特に下側に生えている親知らずは、歯と神経の距離が近くなります。
正常な生え方をしていない場合、神経を傷つけないようにするためにより繊細な施術が必要になり抜歯に時間がかかるケースが多くなるのです。
ただし、親知らず抜歯時に顎関節症になる確率はあまり高くありません。
むしろ、正常に生えていない親知らずを放置しておくデメリットのほうが大きいケースが多いです。
担当医と相談の上、早めに抜歯計画を立てるのがおすすめでしょう。
では次に、親知らずと顎関節症の関係で発生する代表的な症状について紹介していきます。
親知らずと顎関節症の関係で発生する代表的な症状3選
親知らずと顎関節症の関係で発生する代表的な症状は、大きく分けて
- 顎が痛い・だるい
- 口を大きく開けられない
- 口を開けたときに音がする
の3つです。
具体的には、
- 顎の関節が左右にずれて動く
- 口を開閉する際に痛みを感じる
- 口の開閉時に顎周辺からカクカクと音が出る
- 口を大きく開けると顎が外れそうになる
- 食べ物が噛みにくい
- 指3本分も口が開かなくなる
- 顔が歪んできた
などの症状を感じた場合には、顎関節症になっている可能性があります。
④副症状が全身に現れることもある
顎関節症が進行すると、副症状が全身に現れることもあります。
具体的には、
- 肩こり
- 頭痛
- 首の痛み
- めまい
- 口が渇く
- のどの違和感
- 不眠症や睡眠障害
- 難聴
- 耳痛と耳鳴り
- うつ病
などの症状を併発する可能性があるでしょう。
早い段階で治療をすれば、こういった顎関節症による悪影響を減らせます。
気になる方は、担当医に相談してみましょう。
では次に、顎関節症で親知らず抜歯ができないときの対処法を紹介していきます。
顎関節症で親知らず抜歯できないときの対処法は?
すでに顎関節症になっており、口を大きく開けない影響で親知らず抜歯ができないときは、
- 親知らず抜歯を急がなくていい場合
- 親知らず抜歯を急ぐ必要がある場合
の2つのケースによって、対処法が異なります。
それぞれどういうことか、解説していきますね!
親知らず抜歯を急がなくていい場合
親知らず抜歯を特別急ぐ理由がない場合には、顎関節症の治療が優先されます。
なぜなら、顎関節症で痛みが強く出ているときは、顎周辺に炎症が起きているケースが多く、無理に抜歯をすると状態が悪化する可能性があるからです。
治療法としては、マウスピース(ナイトガード)で、夜間の無意識の歯ぎしりや食いしばりで生じる顎関節や筋肉への負担を軽減するのが一般的な方法になります。
痛みが強い場合には、同時に鎮痛薬を処方される場合もあるでしょう。
歯医者によっては、
- 近赤外線レーザーを照射する
- 電気刺激を患部に当てる
などして、筋肉を自動収縮させて血液の流れを改善する場合もあります。
上記の治療を行ってから2週間ほど経過しても改善が見られない場合には、専門医の元でより高度な検査や治療を行う必要性が高くなります。
親知らず抜歯を急ぐ必要がある場合
親知らずの状態が悪く抜歯を急ぐ必要がある場合には、症状に合わせて全身麻酔が可能な大学病院等を紹介されるケースがあります。
なぜなら、一般的に全身麻酔をかけると筋肉の緊張がとれて、大きく口を開けられるようになるからです。
もちろん抜歯中の痛みも感じません。
また、全身麻酔で通常通りお口の中からの抜歯を試みて、それでも難しい場合にはお口の外側から外科手術を行う方法もあります。
ただし、お口の外側からの抜歯は、
- 顎の下の皮膚に傷が残ったり
- 顔面神経損傷など合併症が起こるリスク
があります。
担当医と相談して、慎重に検討するのがおすすめでしょう。
親知らずと顎関節症の結論
それでは最後に、「親知らずと顎関節症」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らずが
・横向きや斜めに生えている
・歯ぐきに埋もれた状態で生えている
・上下どちらかが生えていない
など正常な生え方をしていない影響で、噛み合わせのズレが発生して顎関節症を発症することがあります。
また、高難易度の親知らず抜歯でお口を長時間開けた際に顎関節症になるケースも稀にあります。
そういった場合には、
・顎が痛い、だるい
・口が大きく開けられない
・口を開けたときに音がする
の3つの顎関節症の症状が現れ始めるでしょう。
また、すでに顎関節症で口が開けられず抜歯が難しい場合には、抜歯を急ぐ必要があるか否かで対処法が変わります。
まずは検査をしてみないとわからない部分も多いので、的確な診断に必要な3DCT機器がある歯医者で相談してみましょう!
以上、今回は顎関節症と親知らずについて詳しくお話しました。
当院では、患者さまのご負担を最小限に抑えるために、
- 大学病院所属の口腔外科医が
- 3DCTによる画像診断を行い
- 抜歯の難易度を的確に把握し適切な処置を行えるような
治療環境をご用意しています。
親知らずと顎関節症について気になる点がある場合には、お気軽にお声がけくださいませ^^
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ