親知らずが生えない人がいる2つの理由!放置しても問題ない?
- 2022.07.04
親知らずを抜いた話を人から聞く中で、
そういえば、わたしは親知らずが生えてないみたいだけど放置して大丈夫なのかな?
このまま親知らずが生えないってこともあるんだろうか?
と不安になることがありますよね。
結論からお伝えすると、親知らずはもともと4本すべて生え揃っていない人もいれば、全く生えてこない人もいるなど個人差が大きい歯です。
そのため、親知らずが生えていないことは特段珍しいことではありません。
とはいえ、
- なぜ親知らずが生えてこないのか
- 生えてこないときは、放置したままで大丈夫なのか
- どんな場合だと治療が必要になるのか
といった点は気になるところですよね。
そこで、ここからは日本口腔外科学会・認定医が在籍する北戸田COCO歯科が、「生えてこない親知らずについて」重要なポイントをまるっとまとめて解説します!
ぜひ、最後までご一読くださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らずが生えない人がいる2つの理由
親知らずが生えていない人がいる理由は大きく分けて、
- あご骨のスペース不足
- 遺伝の影響
の2つです。
それぞれどういうことか、お話していきますね!
①あご骨のスペース不足
親知らずが生えてこない1つ目の理由は、「あご骨のスペース不足」です。
あご骨が小さく・細い場合には、順番的に最後に生えてくる親知らずが生えてくるスペースがなく、歯茎の中に埋まっているケースがあります。
特に、日本人の顎は欧米人に比べて小さい傾向にあるので、親知らずが生えるスペースが足りない方が一定数いるのです。
②遺伝の影響
親知らずが生えてこない2つ目の理由は、「遺伝の影響」です。
歯茎の中にも親知らずが存在していない場合には、遺伝から来る要因が大きいといえます。
なぜなら、歯の元になる歯胚(しはい:歯の卵)が最初からないケースでは、遺伝の影響だと考えるのが自然だからです。
では次に、親知らずが生えない人の割合や放置しても大丈夫なのかについて解説していきます。
親知らずが生えない人の割合は?放置しても大丈夫?
親知らずが生えない日本人は、約3~4人に1人の割合で存在すると言われています。
また、親知らずが生えていない場合でも、
- 炎症による痛みや腫れなどの症状が出ていない
- 他の歯へのダメージがない
状態なら経過観察でもOKです。
ただし、問題がないかどうかを目視で確認するのは難しいと言えます。
そのため、気になる場合には歯医者でレントゲン検査などを受けておくのが確実でしょう。
では次に、生えていない親知らずの治療が必要になる4つのケースを紹介していきます。
生えていない親知らずの治療が必要な4つのケース
第一に遺伝の影響で、そもそも親知らずが歯茎の中にも存在していない場合には治療の必要はありません。
ただし、あご骨のスペースが不足している影響で歯茎に親知らずが埋まっており、
- トラブルの原因になっている
- トラブルになる確率が高い
場合には、治療が必要になります。
具体的には、
- 歯茎から親知らずの一部が見えている
- 痛みや違和感がある
- 嚢胞(のうほう)ができている
- 横向きや斜めに生えて、隣接する歯を圧迫している
の4つのケースに該当すると、治療が必要になる可能性が高いでしょう。
一つひとつどういうことか解説していきますね。
①歯茎から親知らずの一部が見えている
歯茎から親知らずの一部が見えている場合は、基本的に抜歯が推奨されます。
なぜなら、歯の一部がお口の中に露出している状態のまま放置すると、歯ブラシが当たりにくい箇所から虫歯や歯周病が進行するケースが多いからです。
現時点で虫歯や歯周病になっていなくても、歯茎から親知らずの一部が見えているケースでは、今後虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。
そのため、トラブルが発生する前に抜歯を検討したほうが良いでしょう。
②痛みや違和感がある
完全に生えていない親知らずでも、痛みや違和感がある場合には、一度歯医者で検査を受けるのがおすすめです。
目視では確認できない歯茎の中で問題を起こしていたり、なんらかのトラブル原因になっている可能性があります。
放置していると、知らない間に徐々に状態が悪化してしまうケースも多いです。
また、一時的に痛みや腫れが落ち着いたからといって放置してしまうと、
- 虫歯や歯周病が悪化する
- 顔が腫れて、さらに痛みが強くなる
- 発熱や倦怠感など全身症状が発生する
など、もっと大きなトラブルに発展してしまう可能性があるので、早め早めに歯医者で検査を受けることを強く推奨します。
③嚢胞(のうほう)ができている
生えていない親知らずでも、嚢胞(のうほう:親知らずの周りにできる袋状の病変)ができている場合には抜歯が推奨されます。
なぜなら、嚢胞は放置すると徐々に大きくなって、
- 歯の痛み
- 咬合痛
- 歯ぐきの腫れ
- あご骨を溶かす
などの問題を発生させる原因になるからです。
嚢胞があるか否かは、歯医者のレントゲン検査で分かります。
そのため、完全に生えていない親知らずの状態が気になる場合には、歯医者で定期的に検診を受けるのがおすすめです!
④横向きや斜めに生えて、隣接する歯を圧迫している
生えていない親知らずでも、歯茎の中で
- 横向き
- 斜め
に生えて隣接する歯を圧迫している場合には、抜歯が推奨されます。
なぜなら、完全に埋まっている親知らずでも横向きや斜めに生えていると、歯茎のわずかな隙間から食べカスが入り、歯垢(プラーク)が増殖して、
- 親知らずも
- 隣接した歯も
虫歯や歯周病に侵されてしまうケースがあるからです。
また、虫歯や歯周病にならなくても、
- 口臭の原因になったり
- 歯並びに悪影響を与えたり
するケースもあります。
どちらにしても、放置するのは百害あって一利なしです。
状態が悪化する前に、口腔外科に精通した歯医者で抜いてもらったほうが良いでしょう。
結論:親知らずが生えない人は不安なら歯医者で相談を!
それでは最後に、親知らずが生えない人が知っておくと役立つ情報を簡単におさらいしていきます。
親知らずが生えていない人がいる理由は大きく分けて、
①あご骨のスペース不足
②遺伝の影響
の2つです。
また、親知らずが生えない日本人の割合は、3~4人に1人程度になります。
ただし、
①歯茎から親知らずの一部が見えている
②痛みや違和感がある
③嚢胞(のうほう)ができている
④横向きや斜めに生えて、隣接する歯を圧迫している
の4つのケースに該当する場合には、生えていない親知らずであっても治療が必要になる可能性が高いです。
放置していると状態が悪化して、トラブルのもとになってしまうことも多いので、心配な方は早め早めに歯医者で検査を受けるようにしましょう。
以上、今回は親知らずが生えない人についてお話しました。
親知らずが生えないといっても、
- そもそも親知らずが存在していないのか
- 歯茎の中に埋もれているのか
- 歯茎の中でどんな状態になっているか
で、治療が必要になるか否かが異なります。
レントゲンでチェックしないとそのあたりの判断はできないので、気になる方は一度歯医者で検査を受けたほうが確実でしょう。
ぜひ、当院をはじめとする口腔外科に積極的に取り組んでいる歯医者で相談してみてくださいね!
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ