欠けた親知らずは放置しても平気?原因や対処法を歯科医師が解説
- 2022.10.21
歯が欠けたら、歯医者に行かなきゃ!
そう思う方は多いですし、歯科医師の立場でもその選択がおすすめです。
しかし、その歯が親知らずの場合、
- 目立つこともないし、ほうっておいていいかな?
- どうせいつか抜く歯だし、痛みが出たら歯医者に行けばいいでしょ!
と考え、放置してしまう方が多いです。
しかし、どの歯であっても欠けた歯は放置しないことが推奨されます。
そこで本記事では、日本口腔外科学会・認定医が在籍する北戸田COCO歯科が「欠けた親知らず」について、
- 親知らずが欠ける4つの原因
- 欠けた親知らずを放置する2つのリスク
- 親知らずが欠けた際の対処法2選
の順に知っておくと役立つ情報を3つにまとめて紹介していきます。
親知らずが欠けて気になっている方は、ぜひ最後までご一読くださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らずが欠ける4つの原因
親知らずが欠ける原因は大きくわけて、
- 虫歯
- 酸蝕歯(さんしょくし)
- 歯ぎしりや食いしばり
- 噛み合わせや生え方が悪い
の4つです。
それぞれどういうことか、お話していきますね!
①虫歯
親知らずが欠ける1つ目の原因は、「虫歯」です。
親知らずは、お口の最奥に生えている関係で歯ブラシが当たりにくくなっています。
そのため、汚れが蓄積しやすくプラーク(細菌の塊)がたまり、虫歯菌によって歯が溶かされて欠けてしまうことがあるのです。
②酸蝕歯(さんしょくし)
親知らずが欠ける2つ目の原因は、「酸蝕歯(さんしょくし)」です。
酸蝕歯とは、飲食物などの酸に長時間さらされることによって、エナメル質(歯の表面)が溶かされてしまった歯のことですが、
- 酸性度の高いかんきつ類
- 酢
- 炭酸飲料
- スポーツドリンク
などを頻繁にとっている方は、親知らずが溶かされ一部欠けてしまうケースがあります。
③歯ぎしりや食いしばり
親知らずが欠ける3つ目の原因は、「歯ぎしりや食いしばり」です。
歯ぎしりや食いしばりは、体重の約2~3倍の力が歯にかかるケースもあると言われています。
そのため、睡眠時の無意識の歯ぎしりや食いしばりによって、親知らずが欠けてしまうことがあるのです。
④噛み合わせや生え方が悪い
親知らずが欠ける4つ目の原因は、「噛み合わせや生え方が悪い」です。
親知らずは通常の歯とは異なり、まっすぐ生えてこないケースが多く、噛み合わせや生え方が悪くなりやすい傾向があります。
噛み合わせや生え方が悪いと、親知らずを噛むとき過度な負荷がかかりやすいのです。
そのダメージが、長期にわたり蓄積すると歯が欠けてしまうことがあります。
では次に、上記のような原因で親知らずが欠けた場合に放置するリスクについてお話していきます。
欠けた親知らずを放置する2つのリスク
欠けた親知らずを放置するリスクは、大きくわけて
- 虫歯リスクが高まる
- 知覚過敏(しみる)が発生する
の2つです。
どういうことか、この次に一つひとつ詳しくお話していきますね。
①虫歯リスクが高まる
第一に、欠けた親知らずを放置すると汚れが蓄積しやすくなり、虫歯リスクが高まります。
なぜなら、
- 歯の表面のエナメル質が欠けると、表面がザラザラするので汚れや虫歯菌が蓄積しやすくなる
- エナメル質の下にある象牙質(ぞうげしつ)まで欠けてしまうと、虫歯菌に抵抗しにくくなり虫歯が進行しやすくなる
- 欠けたままの状態だと歯が弱まり、さらに大きく欠ける可能性が高まる(虫歯リスクも上がる)
など、欠けた親知らずを放置すると、上記のように虫歯になりやすい環境が揃ってしまうからです。
そのため、この後に紹介する『親知らずが欠けた際の対処法2選』のように、できるだけ早く歯医者に行き治療を受けることが推奨されます。
②知覚過敏(しみる)が発生する
第二に、欠けた親知らずを放置すると知覚過敏(しみる症状)が発生しやすくなります。
なぜなら、エナメル質の下にある象牙質(ぞうげしつ)まで欠けてしまうと、
- 神経に近いところまで刺激が伝わりやすくなる影響で
- 食事中やブラッシング中にしみやすくなる
からです。
また、歯の3分の1程度が欠けると神経が露出し、息を吸ったり吐いたりするだけでも痛みを強く感じるようになります。
そのため、欠けた範囲が広がる前に歯医者で欠けた部分の治療をしてもらうのがおすすめです。
親知らずが欠けた際の対処法2選
親知らずが欠けた際の対処法は、大きくわけて
- 痛くなくても、早めに歯医者に行く
- すぐに歯医者に行けないときは触らないが鉄則
の2つになります。
詳しくお話していきますね!
痛くなくても、早めに歯医者に行く
親知らずが欠けた際は、「痛くなくても早めに歯医者に行く」を徹底しましょう。
なぜなら、先程ご説明したとおり、運良く欠けた範囲が小さくても、放っておくと
- 虫歯になりやすかったり
- さらに欠けた範囲が広がってしまったり
する危険性があるからです。
また歯医者では、
- 欠けた歯の範囲
- 欠けた原因
- 親知らずを残したほうが良いかどうか
によって治療法が異なります。
▼親知らずが欠けたときの治療法例
欠けた範囲 | 治療法 |
---|---|
小さい | ・プラスチックの白い詰め物をする ・場合によっては、欠けた歯を接着剤で戻せる可能性もあり |
中くらい | 保険適応なら金属の詰め物をする |
大きい | 保険適応なら金属の被せ物をする |
※親知らずを残しておくとデメリットが大きい生え方の場合は、抜歯を勧められるケースが多いです。
※治療をしても再発リスクが高い原因の場合には、抜歯を勧められるケースがあります。
すぐに歯医者に行けないときは触らないが鉄則
どうしてもすぐに歯医者に行けないときは、「歯医者に行くまではむやみに触らない」が鉄則です。
なぜなら、指や舌で幹部に触れてしまうことで、雑菌が入り症状を悪化させてしまうリスクが高まるからです。
痛みがある場合には、鎮痛剤を飲み歯医者に行くまでの期間を耐え忍びましょう。
ただし、鎮痛剤で痛みが治まったからといって安心するのはNGです。
状態が悪化する前に、歯医者に行くようにしてくださいね!
結論:親知らずが欠けたらすぐ歯医者に行こう!
それでは最後に、親知らずが欠けた際に重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らずが欠ける原因は大きくわけて、
①虫歯
②酸蝕歯(さんしょくし)
③歯ぎしりや食いしばり
④噛み合わせや生え方が悪い
の4つです。
また、欠けた親知らずを放置すると、
①虫歯リスクが高まる
②知覚過敏(しみる)が発生する
といった2つのリスクが高まります。
そのため、親知らずが欠けた際は、
①痛くなくても、早めに歯医者に行く
②すぐに歯医者に行けないときは触らないが鉄則
の2つの対処法を実践するようにしましょう!
以上、今回は親知らずが欠けた際に重要なポイントをお話しました。
痛みがないと、ついつい後回しになりがちな歯の治療ですが、放置するデメリットは大きいです。
症状が悪化する前に、できるだけ早く歯医者で適切な治療を受けるように心がけましょう!
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ