親知らずの正しい磨き方!虫歯や歯周病の予防法を歯科医師が解説
- 2021.11.01
皆さんは、親知らずの正しい磨き方を知っていますか?
親知らずは最奥に生えていることから、磨きにくいと認識されてはいるものの、正しい磨き方を知らない人が多いようです。
そこで本記事では、
- 口臭
- 虫歯
- 歯周病
の原因になることも多い「親知らず」の磨き方を歯科医師が徹底解説していきます。
親知らずのケアにおすすめなデンタルグッズもあわせて紹介しています。
ぜひ参考にしてくださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らずの磨き方&おすすめデンタルケアグッズ5選+α
親知らずは最奥に生えているため、通常の歯とは異なった磨き方が必要になります。
具体的には、
- 歯の並びに対して、「斜め45度」から歯ブラシを入れて小刻みに動かす
- 小さめに口を開けて、歯ブラシを奥まで入れやすくなる
- 上・両サイド側などすべての面にしっかり歯ブラシを当てて磨く
が基本のポイントです。
ただし、磨き方を変えただけでは衛生管理が不十分なケースも多いため、あわせてデンタルケアグッズも活用するのが有効になります。
特に次に紹介する5つのデンタルケアグッズは、親知らずの健康を保つのにおすすめです。
ぜひ、あわせて利用してみてくださいね!
①ヘッドが小さい歯ブラシ
親知らずなどの奥歯をきれいに磨くためには、「ヘッドが小さい歯ブラシ」を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、ヘッドが小さい歯ブラシは、奥の狭い位置まで歯ブラシが到達しやすいからです。
ただし、歯の大きさは人によって異なります。
自分にとってベストな歯ブラシを知りたい場合には、歯医者で相談をしたほうが良いでしょう。
お口の健康づくりと口腔ケアのプロ(歯科衛生士)が、あなたに合った歯ブラシを選んでくれますよ!
②デンタルフロスまたは歯間ブラシ
親知らずと手前の歯の間を磨くためには、「デンタルフロスまたは歯間ブラシ」を活用するのがおすすめです。
それぞれ歯と歯の間を磨くのに特化したデンタルケアグッズのため、歯ブラシだけでは取り切れない汚れを除去できます。
ただし、こちらのケアグッズも歯茎の状態によってあなたに適した商品が変わるので注意が必要です。
サイズが合わないものを使うと、
- 歯垢を十分に落とせない
- 歯茎が退縮する原因になる
- 歯茎が傷つく
などのデメリットが発生します。
こちらについてもお口の健康づくりと口腔ケアのプロ(歯科衛生士)が、あなたに合った歯間ケアグッズを教えてくれます。
正しい使い方もレクチャーしてもらえるので、ぜひ一度歯医者で相談してみてくださいね!
③タフトブラシ
- 親知らずが歯茎から一部だけ顔を出している
- 親知らずの衛生状態が悪い
場合には、細かいところを磨くのに特化したタフトブラシを活用するのがおすすめです。
タフトブラシは、毛束が1つのヘッドの小さな歯ブラシで通常の歯ブラシでは毛先が届かないところも効率的に磨けます。
ただし、こちらも毛先が山型と平型タイプがあり、親知らずの状態に合わせて適したものを選ぶ必要があります。
- 山型:歯間や歯の付け根を磨くのにおすすめ
- 平型:歯周ポケットが深い人におすすめ
こちらも選び方に悩んだ場合には、お口の健康づくりと口腔ケアのプロ(歯科衛生士)にあなたに合ったタフトブラシを選んでもらいましょう!
④フッ素配合の歯磨き粉またはジェル
親知らずの虫歯予防をしたい場合には、これまで紹介したデンタルケアグッズの他にフッ素配合の歯磨き粉またはジェルを併用するのがおすすめです。
フッ素には、
- エナメル質の修復を促進する
- 歯質を強化する
- 虫歯菌の働きを弱める
効果があり、予防歯科の分野で注目を集めています。
市販の歯磨き粉やフッ素ジェル選ぶ際は、フッ素濃度が1450ppm(市販の最高水準の濃度)のものを選ぶと効果を得やすいです。
また、歯科で扱うフッ素は高濃度フッ素で9000ppmのものがあります。
定期検診のクリーニングの後などのタイミングで塗布できるので、ご希望の場合にはぜひお声がけください。
⑤マウスウォッシュ(洗口液)
親知らずの歯周病予防には、これまで紹介したデンタルケアグッズの他にマウスウォッシュ(洗口液)の併用がおすすめです。
歯ブラシが届きにくい隙間まで洗口液が入り込み、お口の中を殺菌してくれます。
歯科では、お口の中の状態に合わせてネオステリンという洗口液を保険でお渡ししています。
気になる場合には、ぜひ一度お声がけください。
【重要】歯医者での定期クリーニング
デンタルケアグッズではありませんが、親知らずの衛生管理をするのであれば、「歯医者での定期クリーニング」はかなり有効な方法になります。
なぜなら、歯医者ではご自宅での歯磨きでは取り切れないバイオフィルム(細菌の塊)を、専用機器を使って取り除けるからです。
また、これまでに紹介したようにお口の健康づくりと口腔ケアのプロ(歯科衛生士)が、専門家目線で
- 親知らずの正しい磨き方の指導
- デンタルケアグッズの正しい使い方の指導
- 患者さまに適したデンタルケアグッズのアドバイス
などをしてくれます。
3割負担であれば、1回3,000円~4,000円程度で定期検診やクリーニングが受けれます。
ぜひ積極的に活用してみてくださいね!
では次に、デンタルケアグッズを使って磨き方を変えても、リスクが高い親知らずを紹介していきます。
磨き方を変えてもリスクが高い親知らずの特徴
大変残念ながら、
- 斜めまたは横向き生えている
- 歯茎に埋もれた状態で生えている
の2つの特徴を持った親知らずは、
- 正しい磨き方をしても
- デンタルケアグッズを活用しても
虫歯や歯周病になるリスクが高いと言えます。
なぜなら、頑張って磨いても、生え方のせいで磨き残しができてしまう確率が高いからです。
そのため、上記のような生え方をしている場合には、担当医と相談の上で早めに抜いたほうが後々のお口のトラブルを減らせる可能性が高くなります。
他の歯に虫歯や歯周病菌を感染させないためにも、早めの抜歯を検討しましょう!
親知らず抜歯後も磨きにくい奥歯を大切にしよう!
問題がある親知らずを抜いた後も、奥歯は丁寧なケアが必要になります。
なぜなら、奥歯は
- スペースが狭く歯ブラシが届きにくい
- 噛む面に溝があり虫歯になりやすい
- 前歯よりも噛むときにかかる負荷が強い
といった理由から、前歯よりも寿命が約10年も短いからです。
親知らずを抜いたからといって安心はできません。
引き続き、デンタルケアグッズや歯医者の定期クリーニングを利用して、奥歯の衛生管理を徹底していきましょう!
親知らずの磨き方の結論
それでは最後に、親知らずの磨き方で重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らずの磨き方は、
・口は小さめに開き、
・歯ブラシを歯の並び斜め45度から入れて
・歯の上・両サイド側から小刻みに磨く
のが基本ポイントです。
ただし、生え方の違いなどもあり、親知らずは虫歯や歯周病リスクが他の歯に比べて高いので、
①ヘッドが小さい歯ブラシ
②デンタルフロスまたは歯間ブラシ
③タフトブラシ
④フッ素配合の歯磨き粉またはジェル
⑤マウスウォッシュ(洗口液)
などのデンタルケアグッズを活用した上で、歯医者の定期クリーニングを受けるのがおすすめです。
また、
・斜めまたは横向きに生えている
・埋もれて生えている
親知らずは、丁寧なケアをしていても磨き残しが出やすくリスクが高いです。
基本的には、担当医と相談の上早めに抜歯を検討したほうが安心でしょう。
以上、今回は親知らずの磨き方について説明しました。
本記事を読んでも、親知らずの磨き方がよくわからなかった場合には、ぜひ一度定期検診にいらしてみてください。
口腔ケアのプロ(歯科衛生士)が、直接アドバイスいたします^^
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