親知らずを抜かない3つのメリット&デメリット!残しておくか迷ったら?
- 2022.03.01
親知らずといえば、
- 不要な歯
- 抜いたほうがいい
といったイメージが強いですよね。
しかし、親知らずの中には、抜かないほうがメリットが大きい歯もあります。
そこで本記事では、日本口腔外科学会・認定医が在籍する北戸田COCO歯科が、
- 親知らずを抜かないメリット
- 親知らずを抜かないデメリット
- 抜かないほうがメリットが大きい親知らずの特徴
の順に、親知らずを残しておくか迷った際に知っておくと役立つ情報を紹介していきます。
ぜひ、参考にしてくださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
日本補綴歯科学会所属
日本接着歯学会所属
日本口腔インプラント学会所属
【詳しい経歴はこちら】
親知らずを抜かない3つのメリット
親知らずを抜かないで残しておくメリットは、将来歯を失った際に治療に利用できる点です。
具体的には、以下3つの治療に親知らずを活用できます。
- ブリッジの土台に利用できる
- 部分入れ歯の金具をかけられる
- 歯牙移植に利用できる
一つひとつどういうことかお話していきますね。
①ブリッジの土台に利用できる
親知らずを抜かない1つ目のメリットは、「ブリッジの土台に利用できる」点です。
ブリッジとは、
- 歯を失った部分の
- 両隣の歯を削って土台にする
- 連結した固定式の被せ物
を入れる治療法になります。
奥歯のブリッジは、通常は土台となる歯がないと選べない治療法です。
延長ブリッジであれば入れられるケースはありますが、長期視点でみるとやはり土台となる歯がないと、
- 他の健康な歯にもダメージを与える
- 寿命が短い
などのデメリットも発生するため、土台にできる親知らずを残したほうがメリットは大きいでしょう。
②部分入れ歯の金具をかけられる
親知らずを抜かない2つ目のメリットは、「部分入れ歯の金具をかけられる」です。
部分入れ歯とは、
- 歯を失った部分の
- 両隣の歯に金具をかけて
- 取り外し式の入れ歯
を装着する治療法になります。
しかし、最奥の歯がないと手前の歯に金具をかけることになり、お口の中で入れ歯が安定しにくいです。
また、反対側の歯に金具を伸ばせば入れ歯の安定度は高まりますが、こちらは入れ歯の形状が大きくなる関係で使用感のデメリットが大きくなるでしょう。
そのため、奥歯を失ったときに部分入れ歯を入れることを考えても、親知らずを残しておくメリットは大きいと言えます。
③歯牙移植に利用できる
親知らずを抜かない3つ目のメリットは、「歯牙移植に利用できる」です。
歯牙移植とは、
- できるだけ健康かつ不要な歯を
- 歯がない部分に移植する
治療法になります。
不要な歯というのは、
- 親知らず
- 噛み合わせに関係のない歯
のことですが、保険適用で歯牙移植をするためには親知らずが必要です。
そのため、将来的なことを考えると、やはり親知らずを残しておくメリットは大きいと言えます。
では次に、そんな親知らずを抜かないデメリットはあるのかについて紹介していきます。
親知らずを抜かないデメリットはある?
結論からお伝えすると、親知らずの状態によっては残すよりも抜かないほうがデメリットが大きいケースがあります。
なぜなら、
- 一度でも痛みや腫れを感じたことがある
- 虫歯や歯周病になっている
- 親知らずの噛み合う歯がない
- 横向きまたは埋もれた状態で生えている
- 嚢胞(のうほう)の原因になっている
といった問題がある親知らずの場合、放置すると
- 清掃不良で炎症を起こす
- 虫歯や歯周病が進行しやすくなる
- 歯並びに悪影響を及ぼす
- 顎関節症になりやすくなる
- 口臭の原因になる
などのトラブルが発生するリスクが高まるからです。
では次に、どんな親知らずであれば抜かないほうがメリットが大きいと言えるのかについて具体的にお話していきます。
抜かないほうがメリットが大きい親知らずの特徴4選
抜かないほうがメリットが大きい親知らずは、
- 正常に真っ直ぐ生えている
- 上下の歯が噛み合っている
- 痛みや腫れなどの原因になっていない
- 虫歯や歯周病の症状がない
の4つの特徴を併せ持つ歯です。
それぞれどういうことか解説していきますね!
抜いたほうがいい親知らずか否かを、自己判断するのは危険だと言えます。
なぜなら、目視だけでは確認できないチェックポイントが多いからです。
生えている親知らずが気になる場合には、口腔外科に精通した歯医者で検査を受け歯科医師に判断を仰ぐようにしましょう。
本記事は、親知らず抜歯を検討する上での基礎知識として参考にしていただければ幸いです。
①正常に真っ直ぐ生えている
抜かないほうがメリットが大きい親知らずの1つ目の特徴は、「正常に真っ直ぐ生えている」になります。
なぜなら、正常に真っ直ぐ生えている歯は、通常の歯と同じく歯ブラシが当てやすいため衛生状態を保ちやすいからです。
また、
- 横向きや斜めに生えている歯
- 歯茎に埋もれている歯
とは異なり、隣接している歯に悪影響を与える心配もないため、無理して抜く必要性はないと考えられます。
②上下の歯が噛み合っている
抜かないほうがメリットが大きい親知らずの2つ目の特徴は、「上下の歯が噛み合っている」です。
なぜなら、しっかり噛み合っている親知らずであれば、噛む際の機能をしっかり果たしており不要な歯とは言えないからです。
逆に上下どちらかの噛み合う歯がない親知らずの場合は、早急に抜くことをおすすめします。
というのも、親知らずは噛み合う歯がない状態だと、
- どんどん歯がない部分に向かって伸びてしまい
- 噛み合わせがずれて
- 歯ぐきや頬の粘膜を
噛みやすくなってしまうからです。
③痛みや腫れなどの原因になっていない
抜かないほうがメリットが大きい親知らずの3つ目の特徴は、「痛みや腫れなどの原因になっていない」です。
具体的には、ここまで紹介した①②の特徴を持っていて、今まで一度も痛みや腫れが出ていない親知らずであれば、無理して抜く必要はないと言えます。
逆に、今までに一度でも痛みや腫れの症状が出たことがある親知らずは、①②の特徴に該当する場合も抜歯を検討したほうが良いでしょう。
なぜなら、一時的に痛みや腫れが落ち着いたからといって放置してしまうと、
- 虫歯や歯周病が悪化する
- 顔が腫れて、さらに痛みが強くなる
- 発熱や倦怠感など全身症状が発生する
など、もっと大きなトラブルに発展してしまう可能性が高いからです。
④虫歯や歯周病の症状がない
抜かないほうがメリットが大きい親知らずの4つ目の特徴は、「虫歯や歯周病の症状がない」です。
健康な状態の歯であれば、残しておくことで将来的に別の治療法に利用できるメリットがあります。
一方で、虫歯や歯周病の親知らずは、
- 治療をしても再発リスクが高く
- 他の治療に利用する頃には親知らずの状態が良くない可能性が高い
などのデメリットから、残しておくよりも抜いたほうが良いです。
親知らずを抜かないメリットの結論
それでは最後に、親知らずを抜かないメリットの重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
親知らずを抜かないで残しておくメリットは、将来歯を失った際に治療に利用できる点です。
具体的には、
①ブリッジ
②部分入れ歯
③歯牙移植
の3つの治療法に利用できる可能性があります。
ただし、
①一度でも痛みや腫れを感じたことがある
②虫歯や歯周病になっている
③親知らずの噛み合う歯がない
④横向きまたは埋もれた状態で生えている
⑤嚢胞(のうほう)の原因になっている
といった問題がある親知らずの場合は、残しておくデメリットのほうが大きいです。
また、抜かないほうがメリットが大きい親知らず特徴は、
①正常に真っ直ぐ生えている
②上下の歯が噛み合っている
③痛みや腫れなどの原因になっていない
④虫歯や歯周病の症状がない
になります。
詳しくは検査してみないとわからないことが多いので、抜くかどうか迷った場合には口腔外科に精通している歯医者で相談をしてみましょう。
以上、今回は親知らずを抜かないメリットについてお話しました。
「親知らず=抜くもの」と考えてい方は、ぜひこの機会に歯医者で検診を受けて、親知らずの状態をチェックしてみましょう!
当院では、日本口腔外科学会・認定医を中心に「親知らずを抜く」「管理して残す」どちらのケースでも患者さまをサポートできる体制を整えております。
ご心配な点がある場合は、お気軽にご相談いただければ幸いです!
さいたま市・戸田市で治療をお考えなら北戸田COCO歯科へ